天国の本屋 劇中歌

舞台『天国の本屋』の劇中歌の歌詞を書き起こしたものです。

素人の耳で聞き取ったものなので、ここはこうじゃない?と言う部分がありましたらコメントで教えていただけると助かります。

 

 

M-1 【Who Am I ?】 さとし


僕は何をしている もうすぐで冬が来る

もう時期は迫っている

気づけば大学の4年間が終わろうとしている

そもそも僕は何がしたいのか


僕は何をしている 採用されるはずなどない

メールさえ帰ってこない

僕には全然やる気がない そんなの相手にバレバレだ

そもそも僕は who am I? 誰だ

 

 

 


M-2 【ヘブンズ・ブックサービス】 アヅマ/ナカタ/ヤマキ/ユイ/アンサンブル


Welcome you are in heaven ここは天国の本屋

読みたい本がなんでも揃ってる

向こうでうっかり読み逃していた分

まるで天にも登るような気分 ヘブン


Welcome you are in heaven ここは天国の本屋

朝の八時から夜の八時まで

途切れることなくそれなりに繁盛

働きづくめで 文句のあるやつ即退場 ヘブン


朝は出勤前のサラリーマンが週刊誌を買い求め

散歩がてらの老人たちが立ち読みもせず歩き回り

昼前は主婦が婦人雑誌やベストセラー

ランチの後はOLが雑誌読みながらファッション談義

そこへ暇を持て余した学生や営業マン

夕方は子供たちがコミックコーナー

夜はいい感じのカップルが訪れ

ようやくそこで店じまいになるのさ ヘブン

 

Welcome you are in heaven ここは天国の本屋

 



M-3 【ここはどこだ!?】 さとし

 

いい加減にしろ このクソジジイ

これは一体なんなんだ これは夢なのか 夢見ているのか

夢なら夢でいい それならわかる

だけど万が一これが夢じゃないなら

今見ているものが全部真実なら

僕が納得するまで説明しろ

 

いきなり現れて 初対面なのに

いきなり頼むって何なんだ

何で僕が本屋でバイトなんかしなくちゃいけないんだ

いやその前に どうしてこの僕が こんな本屋に立っているんだ

爺さんあんたが連れてきたのか?

だとすればこれは立派な誘拐だ

 

どうして僕の名前を知っているんだ どうして僕をここへ連れてきたんだ

僕はもうすぐ大学を卒業する 就職活動の真っ最中

明日も大事な試験がある なのにこんな所で監禁中

 

わかった全てを受け入れよう 真に受けてる訳じゃないけれど

仮に全てを受け入れよう

今見ているものが全部真実なら 僕が納得するまで説明しろ

 

いいか一つだけ質問する ここはどこだ!?

根本的な質問だ ここはどこだ!?

 

 

 


M-4 【天国についての話し】 ヤマキ


人間の寿命ってのは 100歳ちょうどで

これが誰にも平等に設定された数だ

 ー天寿ってもんだな。(ヤマキ)

だけど誰もが100歳までは生きられない

そう 20(はたち)で死ぬ者もいれば80まで生きる者もいる

天国は残りの天寿を全うする場所さ

20で死ねば残りは80年 80で死ねば残りは20年さ

 ーまぁ簡単な足し算と引き算だな。(ヤマキ)

 ーじゃあみんなはここで100歳まで歳をとっていくるんですか?(さとし)

 ーそりゃそうだ。ただ、天国にいる間中ずっと現世で死んだ年齢の格好のままだ。(ヤマキ)

そして人は100歳までの天寿を全うすると

天国の記憶を全て消されて赤子に戻され

もう一度現世に生まれてくるのだ わかるか?

天国は死んだあとにいく世界じゃなく

現世とパラレルで繋がる 別の現世というもんだ

天国は人生の帳尻合わせの場所さ

でなければここは100歳の年寄りだらけだ

 ーそっちで病気とか事故で若い奴が死ぬだろ。そういうことなんだ。(ヤマキ)

天国は残りの天寿を全うする場所さ

天国は人生の帳尻合わせの場所さ

信じようが信じまいがどうでもいい事さ

 

 

 


M-5 【あっちから来た人に】 ユイ/アンサンブル


あっちから来た人によく教えてあげるわ

まだ来たばかりだから分からないと思うけど

あんたはまもなくこの店を飛び出すわ

居てもたってもいられなくなり 街をさまようでしょう

だけどやがて気がつくの どこをどう歩いていっても

自分の家までたどり着けないってことに

 

「一体どうなってるんだ?」

「ねぇ…帰りたい?さぁ、どうする?」

 

あっちから来た人によく教えてあげるわ

そうだ電車に乗ろう あんたは駅を見つける

でも見た事もない駅なの 路線図に見覚えもない

居てもたってもいられなくなり 誰かに尋ねるでしょう

 

「あの、すみません!」

あっちから来た人だね そのうちに分かるさ

あっちから来た人だね あっちから来た人だから

 

だけどやがて気がつくの どこにも行くことができない

あんたはここに居るしかないんだってことに

 

あっちから来た人によく教えてあげるわ

今日で四日目の朝 いつもの朝が始まる

あんなに追い込まれていたのに あんたは不思議に思わない

本を運んだり並べたりお客と挨拶を交わしたり

そしてやがて気がつくの 仕事に馴染んでることに

こんなに自分にしっくりくるとは思わなかった

そう所詮あんたは あっちから来た人

 

「ちょっと聞いてもいいかな?君はどうしてこっちに来たの?」

あっちから来た人に一つ教えてあげるわ

「…あたしにあんまり馴れ馴れしくしないで」

よく覚えておいて

 

 

 


M-6 【緑の瞳の女の子】 さとし


僕は何をしている 天国に連れてこられ

本屋のバイトをさせられ 気づけば1週間

本を抱えて倉庫とお店の往復

そして僕は 彼女に出会った

 

薄い緑の目をした少女に会った

初めて見た時から感じていた違和感

でも今は余計なことは考えないでおこう

薄い緑の目をした少女は僕に

話をしてくれる 色々教えてくれる

そう今はそれだけでいい それが楽しいから

僕は決めたのさ たとえこれが夢だろうと

毎日をきちんとやって行こう

多分生まれてから初めてだと思う 自分の意思で何かをやろうとするなんて

何故か僕はその気持ちに満足している

 

僕は何をしている

薄い緑の目をした少女に会った


 


M-7 【本屋の仕事】 アヅマ/ナカタ/アンサンブル


本屋の仕事は意外と忙しい 朝来たらまずはハタキがけ

本の陳列の乱れを直し その日入荷の新刊雑誌の確認作業

そこに漂う紙とインクの匂い

包まれると何故かこの頃 落ち着く俺たち

 

俺たちの仕事はフロアがメイン

ひたすら本を運び続けて

たまにお客の質問に答え 売り場の棚に案内しながらナンパ

上手くいったこと今までないけど

おすすめの本を紹介するポップ作り

これがちょいとクリエイティブでお気に入りの俺たち

 

HBS HBS ヘブンズ・ブックサービス

HBS HBS ここが俺たちの職場なのさ

なんだかんだああだこうだ ごちゃごちゃ言うやつもいるにはいるけど

なんだかんだああだこうだ 俺たちは本屋の仕事が好きなんだ


本屋の仕事は意外と楽しい

誰よりも早く新しい本に触れることが出来るのがいい

どんな本が流行ってるのか直に感じられるのがいい

 

HBS HBS ヘブンズ・ブックサービス

HBS HBS ここが俺たちの職場なのさ

なんだかんだああだこうだ ごちゃごちゃ言っても俺たちは本屋の

なんだかんだああだこうだ 俺たちは本屋の仕事が好きなんだ

 

 

 

 

M-8 【ヘンゼルとグレーテル】 さとし/アンサンブル

 

わしらはいったいどうなると言うんだ

自分たちの食べ物さえないのにどうして可哀想な子供たちが養っていけるだろう

 

「いいかい、明日の朝うんと早く起きて、子供たちを森の一番よく茂ったところへ連れて行くんだよ。

そこで子供たちめいめいにパンを一切れづつあてがって、あとは放っぽり出しときゃいいさ。

あの子達には帰り道なんてわかりゃしないし、あたしたちも救われるというもんだ。」

 ーと、妻が言いました。

「いや、お前、そんなことわしはごめんだよ」

 

そんなことわしはごめんだ どうして自分の子供たちを深い森の中に放っておけよう

バカだよお前さんは そんなこと言っていたら四人とも飢え死にさ!

 ー妻は夫が承知するまでうるさく言うのでした。

母だけど 子供たちがかわいそう

 

僕はただ必死さ 一言一言確かめるように

感情を込めてとか 子供にわかりやすくとか

余計なこと考えてる暇はない

 

ヘンゼル ヘンゼル 私たちもうおしまいね

静かにおやすみグレーテル 泣くんじゃない

神様は僕たちをきっと助けてくださる

 ー翌朝になると、継母が子供たちを起こしに来ました。

さぁ起きるんだよ怠け者達

みんなで森に薪を取りに行くんだよ

このパンはお前達の昼ごはん 

もうこれっきりなんだから大切に食べるんだよ

さぁ森へ出かけよう

 

よかったちゃんと聞いてくれている

どうかこのまま無事に終わりますように

いやちょっと待てよ この子の周りにいるのは

さっきまではいなかった どうしたんだろう

 

さあここに座っておいで 疲れたら眠るがいい

あたし達は森に木を刈りに行くからね

仕事がすんだら迎えに来るよ 一緒にお家に帰ろう

 

なんだこれは どうなってるんだ

僕は何か間違いでもしたのだろうか

なにか別のとんでもない本を読んでるのだろうか

いやそうじゃない これはグリム童話

 

どうしたら森から出られるの

「月が出るまで待つんだよ。そうしたら僕がまいたパンが見えるからね。」

月が出るまで待とうよ そうすれば道がわかるから

宝石のように輝くパンくずが僕たちの帰る家へ導いてくれる

 

ここからはみんなもよく知ってる話だ

2人は森をさまよって

白い小鳥に連れられてお菓子でできた家を見つけて

お砂糖の屋根や窓を食べちゃって

 

『ねぇちょっと端折りすぎじゃない?』

『ちゃんと読んでるよ』

 

ところがその家に住んでいたのは子供が大好物の魔女のおばあさん

さぁ捕まえたぞ逃すもんか こいつはおいしい食べ物になりそうじゃ

魔女はヘンゼルを馬小屋に閉じ込め グレーテルにパンを焼くかまどに火をつけさせた

グレーテル パンを焼くかまどが熱くなってるか中に入って確かめておくれ

どうしたら中に入れるの?

どうしたらいいのか分かりません

なんてバカな女なんだ そこから入ればいいんだよ

ほら あたしだって入れるよ

 ーするとグレーテルは魔女を一押し、ぐっと中に押し込め、鉄の扉を締め

  かんぬきをさしてしまいました。

グレーテルは逃げ出して 悪い魔女は焼け死んだ

 

愛おしい子供たち おかえり

あれから楽しい時はほんの少しも無かったよ

意地悪な継母も死んでしまったよ

 

月が出るまで待とうよ そうすれば道がわかるから

宝石のように輝くその光が 僕たちの帰る家へ導いてくれる

 

 

 

 
M-8A 【朗読の日々】 さとし/アヅマ/ナカタ/アンサンブル/少年


今度はこの本を私のために

僕にはトム・ソーヤーの冒険

私は戦争と平和

ドストエフスキー!」「?」


みんなが彼に夢中 誰もが読んで貰いたがる

朝も昼も夜も毎日

彼の前に行列ができる

彼が読めば読むほど お客は増えていく

子どもも大人も女も男も

みんなが彼に夢中

シューレス・ジョー」

なんか父のことを思い出しました

殆ど覚えてないけれど 生まれてすぐ死んだ父のことを

 

不思議の国のアリス

「ありがとう!」

子供の頃忍び込んでは怒られた 祖父の書斎の匂いを嗅いだような

懐かしい気持ちがしたわ

 

「斜陽…大宰府っすね」

「オブリガード!」

俺がブラジルで武者修行してた頃

プロレスのリングで浴びた光に もう一度包まれたような気がした


みんなが彼に夢中 誰もが読んで貰いたがる

朝も昼も夜も毎日

みんなが彼に夢中 誰もが読んで貰いたがる

子どもも大人も女も男も

みんなが彼に夢中

 

 

 


M-9 【大切な思い出】 さとし/アヅマ/ナカタ


例えばずっと前に別れたきり忘れてた友達の顔を思い出すことがある

なんでもない何かが ふとしたきっかけで

手に触れた小川の冷たさ 雨降り前の空気の匂い

夕焼けの微妙なオレンジ色 日が昇る前の紫の街

そんななんでもないものが しまい忘れた思い出呼び覚ます

そんななんでもないものを みんなが求めてここに集まるのさ

つまり

なんでもないあなたの声

なんでもないあなたの仕草

なんでもないあなたの朗読

「僕の朗読はなんでもないんだ…」

そうなんでもないものが 大切な働きをしている

そうなんでもないから みんなが安心して大切な思い出に行き着くことができる


誰かに何かを求められることが

こんなにも自分を嬉しい気持ちにさせてくれる

僕にはその事が何よりも大事に思えるんだ

 

こんな所で (天国で?)

こんな事言うのも (言えば?)

変だと思うけれど (いいと思う)

なんか今 すごく生きてるって感じがする

そうだなんか今 すごく生きてるって感じがする

 

こんな所で (天国で?)

こんな事言うのも (言えば?)

変だと思うけれど (いいと思う)

なんか今 すごく生きてるって感じがする

そうだなんか今 すごく生きてるって感じがする

生きてるって感じがする

生きてるって感じがする

感じがする

 

 

 


M-10 【あたしは本が大嫌い】 ユイ


あたしは本が嫌いなんだよ

「まじムカつくんだよ」

 

機嫌直すも何も無いんだよ

本屋で働いてるからって 本が好きとは限らないんだよ

みんなに人気のこの人だって ろくに本なんか読んでなかったんだよ

女が書いた本だから女に読んで欲しい?

男だと気分が出ない?

何なのそれ変態 だったらあんたのママにでも頼めばいいじゃない

気軽にあたしに声かけないで 簡単な女と思わないで

気安くあたしに触らないでよ

あたしは本が嫌いなんだよ

 

機嫌直すも何も無いんだよ

本屋で働いてるからって 本が好きとは限らないんだよ

みんなに人気のこの人だって ろくに本なんか読んでなかったんだよ

「もうそれはいいよ…」

「とにかく!」

あたしは本が嫌いなんだよ

 

 

 


M-11 【君の笑顔が見てみたい】 さとし


君は綺麗な目をしてるね

とても不思議な色をしてるね

出会った時から思っていたんだ

その色をなんて呼べばいいんだろう

ブルーなら空の色 グリーンなら森を抜ける風の色

でもそのどちらでもない

今まで見たことも無い

僕には言い表せない色だ

その瞳の奥にある寂しさに僕は何故か惹かれるのさ

いつか君が瞳の色と同じ暖かな微笑みを見せてくれる

その日が来るのを待っているよ

心から待っているよ

 

 

 

【朗読の日々】 アヅマ/ナカタ/アンサンブル

 

みんなが彼に夢中 誰もが読んで貰いたがる

朝も昼も夜も毎日

彼の前に行列ができる

彼が読めば読むほど お客は増えていく

子どもも大人も女も男も

みんなが彼に夢中

 

みんなが彼に夢中 誰もが読んで貰いたがる

朝も昼も夜も毎日

子どもも大人も女も男も

みんなが彼に夢中

 

 

 

 

M-12 【ないたあかおに】 さとし/カンパニー

 

わたしは鬼に生まれたが 人間たちとも仲良く暮らして行きたいな

ふもとの村の人たちと 友達 仲間になりたいな

『ココロノヤサシイオニノウチデス

ドナタデモオイデクダサイ

オイシイオカシモゴザイマス

オチャモワカシテゴザイマス』

 

「本気なんだな」

「鬼のうちに行ってみよう」

「待て、そう急くな その前に戸口をちょっと覗いてみよう」

「なんだかひっそりしているぞ」

「気味が悪いなあ」

「さては真面目に見せかけて」

「追ってくるつもりらしいぞ」

「危ない 危ない 鬼だもの」

「誰が騙して食うものか」

「わあ出た、鬼だ 捕まるな」

「おーいお待ち ちょっとお待ち」

 

なんだいそうかい 人間たちと 君は仲良くしたいのかい

ではこうしよう 僕がこれからふもとの村に降りてゆく

そこでうんとこ暴れよう 暴れていると君が来て 僕の頭をぽかすか殴る

そうすりゃ村の人たちは君を褒めるに違いない

もしそうなればしめたもの みんなが遊びにやってくる

 

「もうういい早く逃げたまえ」

「いたた、いたた、おぉ痛ぁ」

 

安心あかおに 立派な鬼だよ

あかおにいい鬼 遊びに行こう

 

お客を迎えてあかおには大喜びでありました

鬼のお菓子をたくさん作って出しました

味の良いお茶を飲ませてやりました

 

おおい いるかい

おや 何か書いてある

『アカオニクン

ボクハシバラク キミトオワカレ コノヤマヲ デテイクコトニキメマシタ

キミトボクガナカヨクシテイテハ

ムラノヒトタチハ キニナッテオチツカナイデショウ

ソウカンガエテ ボクハ タビニデルコトニシマシタ』

 

「ボウズ、またな」

 

『ナガイタビ トオイタビ ケレドモボクハ

ドコニイヨウト キミヲオモッテイルデショウ

キミノダイジナシアワセヲ イツモイノッテイルデショウ

サヨウナラ キミ カラダヲダイジニシテクダサイ

ドコマデモキミノトモダチ

アオオニ』

 

 

 


M-13 【お前がここに来た理由(わけ)】 ヤマキ

 

そうだ 天国には人材管理局という組織があるんだ

現世と天国との人口調整 寿命の管理と輪廻の手配

俺はそこで移動士という資格を持ち仕事をしている

天国と現世を行ったり来たり

まぁなんて言うの?ツアーガイドだ

 

現世で死んだ人間を天国に連れてきたり

天国で天寿を全うした人を連れて行ったり

そしてお前のような天国経験者をスカウトしたりするのが

それが仕事だ

 

ある日俺は恋をした とても綺麗な女性だ

あの手この手を駆使してやっと恋人になった

遅い恋を楽しもうと彼女を旅行に誘った

だけど俺には本屋がある

そんな時間あるはずも無かった

そこで俺は思いついた

そうだ!昔上手にあかおにの本を読んだあの子をここへ連れてこよう

天国経験者としてここでバイトをさせよう

 

「もしかしてあの時の!」

「ボウズ」

「「またな」」

「まじかぁ!」

 

そうだ老いらくの恋は前進あるのみ

お前に白羽の矢を立てた

我ながら名案だった いい旅だった 楽しかった

全てお前のお陰だ 礼を言うよ ありがとう

 

 

 


M-14 【僕はあの子に恋してる】 さとし


僕は何をしている そう思ってたあのころ

だけど今は違う 別の暮らし

すっかり馴染んでる

そうさこれこそが自分のあるべき姿 そんな気がしてる

 

ここでの仕事が何よりも好きで

本を読むことが皆に求められ

人に何かを与えることが喜びになった

 

何の目的もなく何の生き甲斐もなく

それでも別に構わない そう思って過ごしてたけど

今の僕はなんてちゃんとしているんだろう

 

店に来る人たちと出会い

僕の声に耳を傾ける子供たち

それぞれの人生を垣間見せる大人たち

君たち2人 いい加減な店長

皆で過ごす愉快な時間

そして彼女 ユイの存在 僕には大きなもの

これは恋なのか これは恋なんだ

そんな言葉で片付けたくない だけど

僕は気づいた 僕はあの子に 恋してる

僕はあの子に恋してる

 

 

 


M-15 【翼が欲しい】 ユイ/さとし


あたしは戻れるのかな 自分が死のうとしたあの場所へ

見下ろした街をさまよった あぁ道標が欲しい

もう何度も迷い続けてる ビルの上にはその答えはない

あたしは空を飛べるのかな あぁ翼が欲しい

いつも2人の上の青空から 降り注ぐ光を見てた

手を伸ばせば届きそうな 雲に乗って旅をした

もう一度飛べるかもしれない

もう一度会えるかもしれない

だけどわたしの背中に翼は生えなかった

わたしは心に翼を持てなかった

君は戻りたいの 自分をそんなに責めなきゃいけないの

君はあの時きっと飛べたんだ そう翼はある

 

もう一度飛べるかもしれない

もう一度会えるかもしれない

だけどわたしの背中に翼は生えなかった

わたしは心に翼を持てなかった

(人は誰でも翼がある 心に翼を付けて飛ばそう )

あぁ翼が欲しい あぁ翼が欲しい

(翼がある 翼がある)

 

 

 

 

【君の笑顔が見てみたい】 さとし

いつか君が瞳の色と同じ暖かな微笑みを見せてくれる

その日が来るなら何でもするよ

でも僕にできるのかな

 

 

 

 

M-16 【最後の戦い】 さとし/カンパニー

 

不思議だ 僕は 読んだこともないのに

この長い物語の全てを知っているみたいだ

 

この地上ではないどこかにナルニアは生まれ

今最後の戦いを経て崩れ去った

そしてアスランの元へ集った7人の子供達

 

もっと高く もっと奥へ

 

どうしたんだ ユイが涙を流してる

僕が本を読むのを聞いて ユイが泣いている

 

もっと高く もっと奥へ

もっと高く もっと奥へ

 

そうか そうだったんだ

今 僕には全てがわかった

どうして僕はこの子に見覚えがあるのか

どうして僕がこの本を読んでいるのか

どうしてこの人たちがこれほど夢中になるのか

どうして神様が僕に微笑みかけているのか

 

何て美しい声だろう 心の隅まで綺麗にしてくれる

全てを洗い流してくれる そんなユイの声の響きは

 

もっと高く もっと奥へ

 

もっと高く もっと奥へ

もっと高く もっと奥へ

 

 

 


M-17 【さようなら】 ユイ/さとし


もう何も 言わないで あたしは一人で行くから

ここで見送って欲しい 今はただ手を握っていて

もう何も 喋らないで あなたの声を聞いてしまうと

帰りたくなりそうだから 今はもう黙っていて

さようならグッバイ 信じたくない

あなたが永遠に消えてしまう 思い出になるなんて

ずっと昔から二人こうしていたみたい


もう何も 聞かないよ 君がどこに帰るかなんて

ここで見送っているから 姿が見えなくなるまで

さようならグッバイ 信じてるよ

二人は永遠に消せやしない 思い出はいらないよ

ずっと昔から君を忘れずにいたから


もう何も言わないで でもひとつお願いがあるの

ここで目を閉じて欲しい ただ黙って目を閉じて


君の瞳の色が 今変わったような気がする

薄い緑の目が消えて 深い黒に変わった


さようならグッバイ 信じたくない

あなたが永遠に消えてしまう 思い出になるなんて

ずっと昔から二人こうしていたみたい

さようならグッバイ さようならグッバイ

さようならグッバイ

グッバイ

 

 

 


M-18 【ありがとう】 さとし/カンパニー


僕は何をしている ずっと感じてた

誰にも気づいてもらえない きっと僕は忘れ去られる

そう でもある日突然神様が現れて

僕を無理やりどこかへ連れ出してくれたんだ

本のページをめくる度に 僕は新しい僕を見つけた

暗闇に押し潰されそうになった時でも

そこにはいつでも君がいた 大好きな友達

一人で挫けそうになった時でも

誰かが暖かな君の家に帰してくれた

ありがとう

 

「さとし」

「おばあちゃん、ありがとう」

「元気でね、さとし」


抱えきれない悲しみは 声にしてみればいい

たった一行でいい きっと世界が変わるから

光が射す方へ顔を上げ手を伸ばそう

ひとりじゃないと分かるから

 

「ありがとう」

 

*暗闇に押し潰されそうになった時でも

そこにはいつでも君がいた 大好きな友達

一人で挫けそうになった時でも

誰かが暖かな君の家に帰してくれた

ありがとう

  

*リピート 

 

 

 


M-19 【神様がくれた恋】 さとし/ユイ


信じていいのね 怖がらなくていいのね

昔の事は忘れていいのね 忘れたことの方が多いけど

今ここにいるのは二人だけ

あなたとわたし 思い出はいらない

たとえ記憶の全て無くしても

あなたがそばに そばにいて欲しい


信じていいのかな 本当に二人でいいのかな

僕を好きで居てくれるのかな

思い出は消えてしまったけど

今ここにいるのは二人だけ

君と僕 もう離さない

邪魔するものはない

これからは二人で生きよう ずっと二人で

 

何もかも消え去っても あなたが (君が) いれば

他には何もいらない

君だけが (あなただけ) 一人愛する人

今が世界の終わりでも二人でいれば

他には何もいらない

世界が消えても

世界が消えても

いつまでも二人…

 

 

 

 

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